特定空家と管理不全空き家の違いについて

2024-01-19

売却

 (コラム)

◎特定空き家とは?

特定空き家に係る罰則とは?

◎管理不全空き家とは?

◎特定空き家と管理不全空き家の違いとは?



近年、空き家が急激に増加する中、管理ができていない空き家が目立つようになっております。

空家と言っても、きちんと管理され、きれいな状態に保たれていれば問題はありませんしかし、空き家のなかには手入れもされずに放置されたため傷みが進み、お化け屋敷やゴミ屋敷などと言われるような状態になってしまった建物もあります。このような空き家は景観上だけではなく、安全上、衛生上などさまざまな問題を起こし、近隣に迷惑をかけます。

そこで、国はこのような空き家を「特定空き家」に認定し、所有者に改善を求めるための法律を制定しました。それが、2015年に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法です。また、2023年には空き家の中でも「管理不全空き家」という新しい分類が制度化されることになりました。


【特定空き家とは】


2015526日に施行された「空家等対策特別措置法」では、『特定空家等とは、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態、その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる空家等をいう』とされています。

【特定空家の認定基準】

1.そのまま放置すると倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態

2.著しく衛生上有害となるおそれのある状態

3.適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態

4.その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

※規制の対象は建物だけではなく、門扉・立木・看板等の付属物も含めたものを「特定空家」となります。

 

【空家の認定手順】

特定空家を認定するのは市町村になります。

〇空家の実態調査

〇空家の所有者への適切な管理指導

〇空家の跡地についての活用促進

〇「特定空家」の指定

〇「特定空家」に対して、助言・指導・命令ができる

〇「特定空家」に対して罰則・行政執行が可能


【特定空き家に係る罰則とは】


特定空家に指定された後に自治体から改善の「勧告」を受けると、「住宅用地の特例措置」の対象から除外され、固定資産税の優遇措置が適用されなくなる関係から、固定資産税額はおおよそ更地状態と同等の最大6倍となる場合がございます。さらに自治体からの「命令」に応じずに違反となった場合、最大50万円以下の過料が科せられてしまいます。


【管理不全空き家とは何か?】


2023年、空き家の中でも「管理不全空き家」という新しい分類が制度化されることになりました。管理不全空き家とは、「このまま放置すれば、いずれ特定空き家になる恐れのある空き家のこと」です。

「管理不全空き家」に指定されると、自治体はその所有者に対し「特定空き家」にならないために改善するよう指導・勧告を行います。改善に向けての対応を促され、それに応じない場合には「特定空き家」と判定されます。

【管理不全空き家について固定資産税減税制度対象外となる条件】

法改正にて、市区町村が指導しても状態が改善しない管理不全空き家については、上記の特例の適用を解除することとなってしまいました。解除となってしまうと、固定資産税額は最大6倍にもなります。
除外対象となる流れについて見ていきましょう。まず、市区町村長は、放置するといずれ特定空き家になるおそれのある空き家を「管理不全空き家」として指定し、管理指針に即した措置を「指導」します。
市区町村長は、指導しても状態が改善しない場合には「勧告」することができます。この勧告を受けた際、当該空家の敷地にかかる固定資産税等の住宅用地特例は解除となってしまいます。



【特定空き家と管理不全空き家の大きな違い】


管理不全空き家と特定空き家における最大の違いは、「行政代執行」の可否です。行政代執行とは、行政が空き家所有者に再三指導・命令を行ったにも関わらず、改善が見られなかった場合に、自治体が強制的に空き家を解体することを指します。この解体にかかる費用は、全て所有者に後ほど請求されます。特定空き家はこの行政代執行をしてもよいことになっていることから、特定空き家になる前に自分で改善する必要があります。

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伊藤祐哉

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資格:■宅地建物取引士 ■ファイナンシャルプランナー2級

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